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屋根リフォーム・修理の基礎知識!【塗装や葺き替え】

雨風や紫外線に直接にさらされながらも長年マイホームを守り続ける屋根。
快適な生活を維持する大切な役割を果たしています。

しかし、丈夫に作ってあるとはいえ、屋根も年月とともに徐々に老朽化します。
外壁よりも劣化しやすく、状態を目視しにくいことから気づいたときには劣化が進んでいたという場合もありますので、雨漏りなどの劣化症状の兆候を感じていなくても、定期的に点検をして適切なメンテナンスが必要になります。

屋根のリフォームを考える際に必要な情報や、屋根材の種類などについてお話ししていきます。

屋根のリフォーム方法

屋根のリフォームには、「塗り替え」「カバー工法」「葺き替え」「補修工事」という大きく分けて4つの工法があります。

塗り替え

セメント瓦や化粧スレート、金属屋根は、塗料を塗って色を付けています。したがって、色あせやサビが目立ってきたら、まずは「塗り替え」を検討しましょう。また、塗料は色を付ける以外に防水する効果もあるので、塗り替えることで雨漏りなどにも効果があります。

一方で、長年経過した屋根だと塗料を塗ってもすぐに塗料がはがれてしまうこともあります。一つの目安ですが、20年以上経った屋根は、塗り替えても少し時間が経つと塗料がはがれやすくなるので、塗り替えの費用に合った効果が期待できません。

カバー工法

塗り替えでもダメな場合は、屋根材をいったん降ろして新しく付ける「葺き替え」か、すでに載っている屋根材の上に新しい屋根材をかぶせる「カバー工法」があります。

カバー工法は化粧スレートが付けられた屋根によく用いられる工法です。なぜなら、過去に使われた化粧スレートにはアスベストが含まれており、その撤去に多額のお金がかかるためです。カバー工法では化粧スレートなどの屋根材は撤去せず、家を取り壊すときにまとめて屋根も壊すため、屋根を葺き替えるときの工事代が安くて済むというメリットがあります。

そのため、「自宅の屋根(化粧スレートや金属屋根)が傷んできたので屋根を変えたい。ただ今は屋根にそこまでお金をかけたくない」という方に向いているのがカバー工法と言えます。元々ある屋根の上に新たな屋根材を付けるので、軽い方が良いという考え方から、カバー工法には化粧スレートや金属屋根材がよく使われます。なお、雨漏りの原因が屋根材の下にある野地板が傷んでいるといった理由でしたら、雨漏りを止めるために野地板を変えないといけないので、カバー工法は使えません。

葺き替え

「葺き替え」は、すでにある屋根材を一度降ろして新しく付ける工法です。古くなった瓦やセメント瓦、金属屋根によく使われます。
古くなった瓦や20年以上経ったセメント瓦、金属屋根は塗装しても塗装がはがれてしまうため、葺き替えがオススメです。また、長年経った屋根は屋根材の下の野地板が傷んでいる可能性があり、野地板を変える場合にも葺き替えないといけません。

補修工事

「補修工事」は言葉の通り、屋根が一部壊れたときや、屋根にズレや浮きが出てきたときに行う一時的な工事です。

補修工事は工事費用が比較的安く済むこともあり、「何年か後に新しい家を建てることを考えているけど、今はとりあえず雨漏りを直したい。応急処置だけしたい。」といった方に人気です。

一方で、長年経った屋根ですと、補修工事を何度も行わなければならないため、結果的には早めに葺き替えなどをしていた方がトータルの工事費用を安く抑えられたといったこともあります。補修工事と葺き替え(またはカバー工法)のタイミングを見極めることが重要と言えます。

屋根のリフォーム時期

屋根材には、スレート・瓦・ガルバリウム鋼板・アスファルトシングルなど様々な種類がありますが、ほとんどの場合は築10~20年で劣化が始まり、塗装や補修が必要となります。
特にトタンやスレートの屋根は耐用年数が短いため、注意が必要です。
主な屋根材の塗装が必要な時期・耐用年数の目安は、下記を参考にしてください。

化粧ストレート(カラーベスト/コロニアル)

【塗装の時期】7~15年
【耐用年数】10~35年
最近の住宅の多くで使用されている「スレート(カラーベスト/コロニアル)屋根」は、塗装によるメンテナンスは7~15年、葺き替えは10~35年程を目安として実施するとよいでしょう。
なお2006年以前に建てられた住宅では、アスベストを含むスレート屋根が使われている可能性があります。
アスベストを含有したスレートは耐久性が20~25年くらいとされていますが、撤去の際には周囲に飛散しないよう十分な配慮を必要としますので、有資格者のいるリフォーム業者に相談しましょう。

日本瓦(和瓦)

【塗装の時期】原則不要
【耐用年数】30~60年
昔ながらの「日本瓦(和瓦)」は、屋根材の中で一番耐久性が高く、塗装のメンテナンスは必要ありません。ただ、20~30年に一度は葺き直しを行いましょう。

セメント瓦

【塗装の時期】10~20年
【耐用年数】20~40年
洋風のデザインも多いことで人気の「セメント瓦」は、10~20年程度の周期で塗装を行い、20~40年くらいで葺き替えを検討したい屋根材です。
現在はほとんど製造されなくなってきたため、葺き替える場合は他の屋根材を考えるとよいでしょう。

ガルバリウム鋼板

【塗装の時期】10~20年
【耐用年数】20~40年
軽量さで人気の高い「ガルバリウム鋼板」は、重ね葺き(カバー工法)のリフォームの際によく採用される屋根材です。
10~20年に一度は塗装メンテナンスが必要で、屋根材自体の耐久性は20~40年程です。

ジンカリウム鋼板

【塗装の時期】原則不要
【耐用年数】35~50年
「ジンカリウム(自然石粒付き)鋼板」は、ガルバリウムとよく似た屋根材ですが、基本的に塗装のメンテナンスは不要で、耐用年数は約30~50年です。
軽量で洋風住宅のような外観にできることから、人気が高まりつつあります。

アスファルトシングル

【塗装の時期】10年前後
【耐用年数】10~30年
北米を中心に普及している「アスファルトシングル」の屋根は、国内では主に輸入住宅で採用されています。
10年前後で塗装が必要になりますが、油性塗料では屋根材の成分が溶けてしまう可能性があるため、基本的に水性塗料を用います。

トタン

【塗装の時期】6~10年
【耐用年数】6~20年
屋根材の中で最も耐久性が低い「トタン屋根」は、5~10年ごとに塗装をし直せば寿命は延びますが、最長でも20年程度とされています。
築6~20年くらいで葺き替え(張り替え)が必要な時期を迎える可能性が高いでしょう。

こんな症状が出たら注意!

瓦屋根の場合

棟瓦が歪んでいる
家の一番高い部分にあるので地震の影響を受けやすい場所です。真っ直ぐかどうかを確認しましょう。蛇行しているようなら棟取り直しなどの工事が必要になります。

瓦が割れている・欠けている
非常に耐久性の高い瓦ですが、強風時の飛来物やアンテナの倒壊によって割れてしまうことがあります。割れてしまうと他の瓦も動きやすくなり、干渉しやすくなるので割れやすくなります。

瓦がずれている・はずれている
強風や地震で瓦がずれてしまうことがあります。ずれたままだと、瓦が動きやすく他の瓦に干渉しやすいので割れやすくなります。正常な位置へ戻す必要があります。

漆喰が剥がれてきている・崩れてきている
瓦を固定し、支えているのが漆喰です。漆喰が劣化くると、ちょっとした風や地震でも瓦がずれたり、落下する危険が高まります。屋根だけでなくお庭やベランダにコンクリート片のようなものが落ちてないか確認しましょう。

スレート屋根の場合

棟板金と固定している釘が浮いている
棟板金は釘によって固定されています。強風などによって釘が緩んでくると棟板金も持ち上げられ、浮き上がった状態になります。これが酷くなると強風で飛散したり、変形したりします。

色褪せている
棟板金は金属製で、表面は塗装されています。色褪せは塗装が劣化している状態です。そのまま放置すれば錆びてしまうでしょう。錆が流れ出し、屋根や外壁に付着しますと落とすことが難しく、美観を損ねます。

屋根材が欠けている・割れている
飛来物や倒れてきたアンテナによってスレート材にヒビや割れ、欠けができてしまうことがあります。ちょっとした欠けなら問題ないこともありますが、そこの判断はプロのリフォーム業者にお任せした方が良いでしょう。

苔やカビ、藻が生えている
色褪せよりも深刻な状態と言えるでしょう。表面の水捌けが悪くなってしまうと苔やカビ、藻が生えてきます。苔やカビ、藻が繁殖してしまうと雨水の流れを妨げるので、雨漏りの原因にもなります。

金属屋根の場合

根材が浮いている・剥がれている
瓦棒屋根では端と端の重なった部分を共に折り曲げて固定する(ハゼ)方法が取られています。ここが経年により緩んでくると浮いてきたり、剥がれてくることがあります。強風に煽られると大きく捲れ上がってしまうこともあります。

屋根が色褪せている
金属屋根も表面は塗装されています。色褪せてきたら、そろそろ塗膜が限界に近づいてきたサインですから屋根塗装を検討する時期に来ています。

屋根表面に傷がある・錆びている
強風時の飛来物などで表面が傷ついてしまうことがあるのは金属屋根も一緒です。傷によって金属が剥き出しになってしまうと、そこから錆が発生します。トタンやガルバリウムは亜鉛が溶け出すことによって錆の発生を遅らせますが、時間の問題です。また、溶け出した亜鉛は二度と戻らないので、どんどん錆やすくなっていきます。

まとめ

屋根は雨風から長年マイホームを守り続け、快適な生活を維持する大切な役割を果たしています。

屋根リフォーム工事を検討する時に屋根全体を補修する必要があるのか、部分工事で可能なのかを判断する必要があります。そのためには、現場調査をしっかり行い、工事範囲をきちんと説明できる施工業者を選ぶことが大切です。

株式会社おうち工房では、住宅のリフォームの施工や相談も承っておりますのでお気軽にご相談ください。